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2006年2月17日 (金)

へんないきもの

へんないきもの

へんないきもの 」という本がある。
初版は2004年8月。過去に読んだ「ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 」を探していたところ、たまたま見かけたので注文してみたのだが、これは! 素晴らしい。

キンチャクガニという、「ボンボン」のようなイソギンチャクを手にもってえさ集めや威嚇をするカニがいるという。
時にはキンチャクガニ同士でそのボンボンを振り合い、相手のカニを縄張りから追い出そうと威嚇しあうという。その説明文の一部。

だが、お互いに手の内がばれている武器で威嚇しあっても何の意味があろうか。このカニは「道具を使う唯一の無脊椎動物」などとおだてられていい気になっているが、一向にそこに気づかぬあたりが甲殻類の限界というものであろう。

甲殻類が「いい気になっている」って…。キンチャクガニからそんな話でも聞いたのか? って感じ。
最初の数種の動物に関する説明文もそこそこ面白いのだが、このキンチャクガニから一気にヒートアップする。惚れた。センジュナマコについては

我々大和民族には真似のできないベタなアメリカン・エロジョークで回答した男性もいて、文化とは何かを考えさせられる。その回答とはこうだ。
「この金玉から生えてる触手は君の食欲をそそったりするのかい?」
思わず真珠湾もう一発、などと考えてしまうがここは忍耐だ。

ここだけをピックアップすると「ナマコとパールハーバー…何の関係があるんだ?」だが、全体を通して読むと、妙に納得してしまう。著者の早川いくをさんの文才。もはや脱帽するしかないですね。 
ラッコに関しては

おじさんたちにとっては、かわいいラッコちゃんも害獣なんだ。がいじゅう、ていうのはわるさをするくそケダモノっていみだよ。

「くそケダモノ」…著者の手にかかってはラッコもボロクソ。

タイトルだけを見ると、子供向けの本のような気がするのだが、中身は完全に大人向けだ。そもそも帯が「お前ら何なんだ」だもんな。変な動物の説明と思って読んでいると、文体、内容が面白いもんでついつい一気読みしてしまうのだが、よくよく考えてみると、動物の説明とは関係ない文章が大量に混じっていて、変な動物の紹介というよりは、ウケ狙いとしか考えられないような内容。久々に面白い本を読んだ。

さて、ワンダフル・ライフを読んだ時にも感じたことだが、「へんないきもの」とはあくまでも「人間主体」の視点だ。奴らにとってみれば人間の方がはるかに「へんないきもの」ではないのだろうか。

まぁ、どっちでもいいけどね。

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コメント

Book Review'Sのきっちんです。
コメントありがとうございました。
まず、コメントせずに、トラックバックしたことにより
不快な気持ちにさせてしまいまして申し訳ありません。

へんないきもの=人間という考え方は
文中でも紹介していますが、「はだかの起源」という書籍を
読んでからの自分自身の考えで、自分の日記を書いてから
トラックバックするブログを検索していることをご理解ください。
今回、「へんないきもの」の書評でトラックバックさせていただいた
その他の方のブログでももうひとりの方が同じことを書いていました。

そのため、参考元とはまた違うので、
同じことを書いていらっしゃった方という紹介では駄目でしょうか?
このたびは、誤解を招いてしまうようなトラックバックと記事で
ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

投稿: きっちん | 2006年2月21日 (火) 09時24分

きっちん様。

不快、というほどじゃないんですけどね。
迷惑だとも思ってないし(^^;

TBのシステムとして、こちらが望まない相手へのリンクを一方的に張られることもあるわけです。過去にやってたブログでは誘客用に商業ブログがよくやってました。

それなら平然と削除して終わりなんだけど、ブログ見てるとまともな中身だから「まぁいいや」と思う一方で、そういう中身だからこそこちらとしてもある程度のレベルは求めたい、という気持ちはご理解ください。

僕がTBする時には文中に必ず「ここにTB送った」というリンクを張ります。僕の場合は「こいつの書いてることは違う」というケースが多いんですけどね(w

ブログをやる以上、「一方的なリンク(要するにTB)」はあって当たり前なんだけど、TBされた方にとっての心証は、文中にリンクがあるかないかで大きく変わると思います。

きっちんさんのブログは、ざっと見た感じでは真面目な雰囲気ですね。
TBしつつ、きっちんさん自身が文中にリンクを埋め込んでおけば、読書仲間の輪がもっと広がるんじゃないでしょうか。
僕も本が好きで大量に読んでます。これからも書評を書くことがあるかもしれません。こちらからもTBを送ることがあるかと思いますので今後ともよろしくです。

投稿: 小兄 | 2006年2月21日 (火) 18時22分

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