« 三つ巴ブログ | トップページ | 煙草についてについて »

2006年2月21日 (火)

えせ記者徒然

小兄こと、わたくしめは恥ずかしながら「新聞記者」の末席を汚しております。
新聞社をはじめとするマスコミの影響力は「第四の権力」と呼ばれるほどに大きなものです。
そんな中にわたくしめのような若輩者が混じっていいものなのか。お恥ずかしい限りです。

しかし。

今の業界たるや、いかなるものか。
特に「記者」を名乗る連中の体たらく。
お前ら、質が低すぎ。
僕は現時点では田舎の通信部で仕事をしておりますが、まもなく「整理部」と呼ばれる部署に行きます。
業界とは無関係の人には分からないと思うので、簡単に解説しておきます。

まず、外回りの記者が原稿を書いてきます。
その原稿は全て本社に送り届けられます。
それを読んだ整理部の人間が「これは1面」「これは社会面」などと割り振っていくわけです。
でも、それだけでは足りません。
新聞なんて所詮は見出しが勝負。読者が読んでくれるような見出しをつけなければなりません。
それでもまだ足りません。
見出しがいくら興味をそそる文面であっても、読みにくければ途中で読むのをやめてしまいます。
つまり、読者の好奇心をそそる見出しをつけ、読みやすい紙面を作らなければならない。
それが整理部です。

業界の人はある程度分かっていると思います。
そして、外回りの記者の中には整理部を「出来損ないが行く部署」と位置づけている人もいます。
ですが、時代とともにメディアの質も変化していく。
新聞がこの激動期を乗り越えるには、整理部の質を向上させ、「整理部主導型」に転換していかなければなりません。
その頭の切り替えができない新聞社はおそらく10年~20年以内に潰れていくことでしょう。

優秀な人間を整理部に回し、外回りの記者に
「こんな原稿を書け」「これぐらいの行数を書いてこい」
と指示してやらなければ、新聞というメディアは衰退していきます。

さて、記者をやっていると、自分の社の新聞以外にも目を通さなければなりません。
例えば家電メーカーが他社の商品の研究をしなければ、他社を超える商品はつくれないわけです。
そういう意味ではどの業界も一緒。
新聞社にとっては紙面が商品です。
だから、いろんな社の紙面を見ます。

一見、どの新聞もさほど変わりはないと感じるでしょう。
わたくしめは自分の能力に恥を感じているので、本当に「記者」なんだけど、あえて「えせ記者」と名乗っております。
でも、プロとしての自負心がありますので、紙面を見ればその社の整理部の体質が分かります。
整理部の体質が分かれば、その社の将来の命運も分かります。
そのプロの目で見たとき、よそ様のことはともかく、我が社の将来にとてつもない不安が沸いてくるわけです。

このままでは潰れてしまう。

なぜかというと、整理部の質が落ちているからです。
その整理部というのは、社によって様々な人員配置があるようですが、基本的に外勤記者を引っ張って整理記者に育てる、というケースが多いようで、わたくしめの社もそのような方式を採用しております。
だから、整理部員の質が落ちている、ということは、とりもなおさず、外勤記者の質が落ちている、ということに直結するわけです。

わたくしめは記者としての人生を歩み始めてから約10年。
その中の半分以上の年月を整理部員として過ごしました。
だから余計に整理部の質が気になって仕方ない。
面白くない原稿でも、見出しで救ってやろう、レイアウトでなんとか体裁を保ってやろう、と努力してきたのですが、もはや救いようがないレベルに落ち込んでいます。

優秀な人材は、やはりテレビやネット業界に流れているんでしょう。
カスみたいな記者が異常に増殖しています。
そんな奴らがエラソーに記者ヅラして、人を人とも思わぬ態度でエラソーに記事を書いてる。
外勤、内勤の違いこそあれ、わたくしめとしては
「言語道断」
としか言いようがありません。

「価値判断がどうのこうの」
「この話なら3段30行でいいだろう」
「この程度の事故なら20行ほど書いておけばいいだろう」
「とりあえず、今日は仕事したということで、『出席原稿』を出しておけばいいだろう」
「そういう話なら電話で十分だろう」

そんなことを考えてる奴らが多いから、質が落ちるわけです。
価値判断は整理部の仕事。外回りの記者どもは、ともかく聞いた話を全部書け。書いてから文句言え。
3段にするかどうかは整理部が決めること。20歳台~30歳台の記者が勝手に判断するな。
行数はこっちが指定する。勝手に決めるな。
出席原稿を書くヒマがあるなら、走り回って特ダネとってこい。
電話取材で済ますな。現場に行って初めて状況が分かるんだろうが。
…などなど。

そんな「記者のイロハ」が分かってない連中が、ライブドアがどうだとか、2児殺害の原因はなんだとか、勝手な分析をして分かったような顔をしてるわけです。

いろいろ考えるのは構わない。いや、考えなければならない。
でも、記者なんだから。評論家じゃないんだから、理屈こねる前に書け。
「社会の歪みがどうのこうの」
なんてこと言ってる若手もいますが、お前の方がよっぽど歪んでるぞ。
積極的か消極的か知らないけど、記者という職業を選んだ以上は寝食を忘れて仕事に没頭しろって。
プロに徹しろ、ともかく書きまくれ、って。
書くのがイヤなら整理部に行けよ、と言いたい。

…まぁ、そんなカス記者に整理をやられては困るんですけどね。

そもそもね、プロの記者とはどういうものなのか、分かってない連中が
「新聞とはこうあるべきだ」
などと語る。そして
「世の中をこうすべきだ」
と語る。
僕としては、そういう連中に一言いいたい。

記者は書くのが仕事。評論は読者に任せろ。事実を真摯に見つめ、それを読者に伝えろ。そのために書きまくれ。たとえ死んでも読者を裏切るな。それができない、したくないなら記者なんか辞めちまえ。

|

« 三つ巴ブログ | トップページ | 煙草についてについて »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/49796/781536

この記事へのトラックバック一覧です: えせ記者徒然:

« 三つ巴ブログ | トップページ | 煙草についてについて »