« 必修授業の未履修 | トップページ | クライマーズ・ハイ »

2006年11月14日 (火)

いじめ自殺

いじめを苦にした自殺が連鎖的に起きてます。
僕は既に30代半ば。
自分の記憶をたどると、四半世紀前のいじめって、
自殺しなければならないほど深刻ではなかったような気がします。

・・・ま、まぁ、どちらかというといじめる側に立つことが多かったので、
あんまりエラソーなことは言えないんですが・・・

でも、いじめの対象になったこともあったわけで、
その時、どう感じたかというと、
「いつか仕返ししてやる」
でしたね。

いわゆる「江戸の仇を長崎でうつ」ってやつかな。

今の小中学生がやっている「いじめ」なるものがどのようなものか、
現場を見てないのでなんとも言えない部分があるんですが、
かつての外勤時代に某自治体の議会における教育長の答弁。

「子どもは、ある時にはいじめられ、ある時にはいじめ、
そうやって人の心が分かる人間に育っていくものだと考えております」

それを聞いた各紙の記者は一様に
「そうだ、そうだ」
といわんばかりに、しきりに頷いてました。

僕もそう思います。

が。

昨今の相次ぐ自殺を見ていると、
そう悠長なことを言ってられない状況にあるのではないか、と。
陰湿を極めるいじめ、逃げ場のない空間を作り出し、
「逃げたい」と思っても逃げられなくしてしまう。
そんな状況なのかな、と。

僕が小中学生のころは、いわゆる「いじめっ子」でした。
というか、周囲からはそう言われてました。
僕がやっていた「いじめ」は単純な暴力です。

休み時間に誰にも相手にされず、一人ぽつねんと席に座ってる奴に
「お前も一緒に遊ぼうぜ」
と声をかけて、遊んでる中で、相手の言動に腹を立てて殴ってしまう。

自分の行為を正当化する気はありません。
今では心のうちで深く懺悔してます。
でも、そもそも、そいつが何ゆえに
「誰にも相手にされず」
という状況だったのか。

それは、クラスの連中に「無視」という、
僕からみれば許しがたい「いじめ」をされていたからです。

「あいつ、ムカツクからみんなで無視しようぜ」

そういう「取り決め」がありました。
でも、無視(=存在を否定する)という陰湿な行為は、
僕自身もやられたことがあるので、そのつらさが分かります。
だから、「取り決め」を無視して、一緒に遊ぶ。
その中で、ケンカする。
それを見た連中は僕を指して
「小兄は○○君をいじめてます」
と先生に報告する。

すると、僕は”一流”のいじめっ子として教師にマークされる。
職員室に呼び出される。
保護者に報告される。
こっぴどく叱られる。
でも、僕に「いじめられた」本人は、
「あれはただのケンカでいじめられたとは思ってない。
むしろ、みんなが自分を無視してる方がつらい」

と言ってました。

つまりは、彼にとって、僕は唯一の「逃げ場」だったわけです。

僕は幸いにもケンカの腕前はクラスの中でもトップクラス。
僕とケンカして勝てる相手がいないから、
「小兄はあいつをいじめてる」
と名指しして、
「今度は小兄を無視しようぜ」
という話になった。
力ではかなわないから、無視。
で、今度は僕が無視されるようになった。

ちなみに、その時は、それを言い出した奴を校舎の裏に呼び出して、
ボコボコにタコ殴りして、腕の骨を折ってさし上げました。
「無視」などという陰湿なことをする奴は絶対に許さん、って。

僕の小中学校時代はそんな感じで、上記の教育長が答弁してた
「いじめたり、いじめられたり」
だったわけです。

しかし、昨今の「いじめ」とはいかなるものか。
相手を追い詰めて、追い詰めて、
相手の存在を否定するような陰湿なものになっているのではないのか。

教師までもが「いじめ」を容認し、また自ら率先して生徒をいじめる。
逃げ場なし。
そして、思いつめ、自殺という、最悪の選択肢を選ばざるを得なくなる。

そんな状況になっているのではないでしょうか。

「学校」「教室」という狭い空間。
しかも教える側は、高校、大学と卒業して、
社会なるものがどういうものなのかも知らずに、
再び学校に戻っていく。
非常に狭い世界。

一歩、外に飛び出せば、何らかの解決方法は見つかるはずなのに、
なぜに、あえて「死」を選ぶのか。

「命とはなにか」

確かに、必修科目を教えることも大事なのかもしれません。
でも、人間としてもっと大事なことってありませんか?
それを教えられない、理解できていない教師が多いような気がします。

さて、ふと気まぐれに「いじめ自殺」で検索をかけてみました。

マスコミ批判もあるようで、例えば↓
http://fareastclub.at.webry.info/200610/article_22.html
http://www.ohmynews.co.jp/HotIssue.aspx?news_id=000000002585
http://www.j-world.com/usr/sakura/japan/ijime_jisatsu2.html

上記3つにざっと目を通すと、
「確かに、そうかもしれない」
と思う部分が多々。
特に最初にあげたURLにある

最近ニュースを騒がせているものと言えば、ライブドアの証券取引法違反という株で儲けた話し、政治家たちの不祥事、警察官の飲酒運転、一般民とは少し違う考え方の人が集まった集団(例えばカルト教団など)と、それに対する執拗なマスコミの追いかけ取材。

確かに、そんなことばかり報道していては、次に続く

自分が小さいころにもいじめは確かに存在した。けれど、教師を含め、大人を信用しているところがあったように思う。信じられる親、兄弟、教師、警察官、政治家・・・。それを支えにして生きていたのではないかと。いじめられてても、勉強を頑張って大人になったら、違う人生が待っているかも知れない・・・、そんな期待。

ということも媒体を通して伝えることができなくなってしまう。
行間にこめられた、静かではあるけど痛烈な業界批判には、
業界に身を置く僕としても、
「我々も反省しなければ」
と感じざるを得ません。

でも、一方で以下のようなことを書かれておられるブログを発見しました。

生徒へのいじめ問題の前に
学校の先生をいじめるのは悪いことですよ!

そもそも、先生がどうしていじめを上へ報告しないかというと、
報告すると出世できないからです。

つまり、いじめが無くならないのは、
上、つまり文部科学省や教育委員会が
いじめがある学校をいじめるからです。
http://nextream.jugem.jp/?day=20061112

上に引用したブログの管理人さんは、教育関係者なんでしょうか?
やたらと学校サイドをかばっている様に感じます。
記事を読むと、「先生になりたい」という動機と
「出世したい」という思いがほぼイコール、
という構図が僕の頭の中で浮かび上がってきます。

今どきの子どもたちは、大人が思っている以上に利口です。
子どもがインターネットで上のような記事を読めばどうなるでしょう。

薄々感じていたことが「確信」に変わり、
「いじめても、あの先生は上に報告しないから大丈夫」
という結論に至ると思いませんか?

そしていじめはますますエスカレートする。

加えて、上記の筆者は
「教師がいじめに参加しているケースもある」
という言語道断な事実を黙殺
していますね。

いじめ、言い換えれば
「弱い奴がさらに弱い奴をたたく」
という事象は、世の常ではないでしょうか。

教育委員会や文科省が指導(筆者の言を借りれば「いじめ」)をしなくなれば、
いじめが自然になくなる、というのは僕としては納得できません。

文科省や教委が、いじめがある学校を”いじめ”るのは、
学校内のいじめ問題に対処できないアホ教師どもに対する指導なのではないでしょうか。
その「指導」を「いじめ」と受け止め、深刻化している学校内のいじめを放置する。

そんなものは教師による「職務放棄」、
もしくは、「学校という組織ぐるみの隠蔽」でしかない
のではないでしょうか。

だいたいからして、教師も「一応は」社会人なわけです。
教職を通じて給料もらってメシを食ってる。
学内でいじめがあるなら、それは上に報告すべきでしょう。
きちんと報告していれば、厳しい指導があるかもしれない。
でも、それをもって学内のいじめ問題根絶に立ち向かうのが
教師の義務ではないのでしょうか。

にもかかわらず、いじめ問題を隠蔽する。
隠蔽ならまだしも、教師が生徒をいじめる。
あるいは、見て見ぬフリをする。
生徒が自殺してから、会見を開いて謝罪する。
人の命を何だと思っているのか。
死んでから「ごめんなさい」で済ませられるようなものではない。
上のブログの記事は、子に先立たれた親の気持ちなど、
まったく斟酌しない「鬼畜」の屁理屈に過ぎない。

校長の自殺が相次いでいる。
それはそれで痛ましいことではありますが、
「職務放棄」「職務怠慢」による責めを負って校長が自殺するのと、
理不尽な「いじめ」に遭って子どもたちが次々と自殺していくのと、
「自殺」という行為は同じでも、その質は全く異なる
もので、
「教育委員会などが学校を”いじめる”から」
という部分を焦点にしてはいけないと思うのですが、いかがでしょう。

いずれにせよ、「命」というものが軽く、軽くなっているように感じる昨今です。

もしも、僕のブログを読んでる人の中で、
いじめに苦しんでいて、自殺しようと考えている人がいたら、
ほんの少しでいいから考えてみてください。

いじめられた人間は人の痛みが分かる人間になる。
いじめた経験しかない人間より、ずっと懐が広い人間になる。
自殺は、「弱い奴を叩く」ことしかできない弱い人間を喜ばせるだけ。
そんな人間のクズのために、自分の命を絶つなんて、
悔しくて馬鹿らしいだけだと思いませんか?

人一人の死というものは、自分が想像している以上に、
親や親戚、友人に抱えきれないほどの苦痛を与えるものです。
今の苦痛を乗り越えた時に、どんな明るい未来が待っているのか、
いろいろと空想してみてはどうでしょう。

5年経っても10年経っても、人生に苦痛しか感じられなければ、
それから死んでも遅くはないんじゃないでしょうか。

かくいう僕自身も、いじめが原因ではないけれど、
自殺したいと感じたことは何度もあります。
でも
「あと1年、生きてみよう。それでダメならその時に死のう」
と、1年ごとに先送りしてた時期がありました。
死ぬのが怖いからじゃなくて、
その時期の苦痛を乗り越えたところに何があるのか見てみたかったから。

おかげで、乗り越えた今では、すっかり開き直って
脳天気なサラリーマンやってます。

「お前、悩みなんてないだろ」

なんてこと言われながら。

真剣に悩んだ時期があっただけに、
多少のことでは動じない精神力が身についたんでしょうね。たぶん。
そう考えると、

「悩むなら若いうちがいい。死ななければ勝ち」

ということもできるのかな、と。

|

« 必修授業の未履修 | トップページ | クライマーズ・ハイ »

コメント

今回、私のブログを参照していただき、ありがとうございました。正直、驚いています。
いじめが原因で自殺したと思われる小中学生は、8件にもなるようです。これらが連鎖的に起きている事実を我々大人はどう考えるべきか。とても難しい問題です。
ここのブログにも書かれていますが、自分よりさらに弱い奴をいじめるという構図は確かに存在すると思います。そういう意味で考えれば、今自殺している子供達には、自分より弱い奴が見つからなかった、ということにもなるのかも知れません。

投稿: FEC | 2006年11月14日 (火) 09時42分

FECさん、コメントありがとうございます。

マスコミ業界に身を置いていると、ある事に気付きます。
同じ事件、事故は不思議と同時期に多発する。
談合、公務員の不祥事、児童虐待・・・
それらは、「マスコミが報じるから」連鎖してるように感じるけど、必ずしもそうばかりとは言い切れない部分もあります。
でも、いじめ自殺の連鎖は我々のスタンスにも何らかの問題があるのかな、とFECさんの記事を読んで感じました。

弱い奴がさらに弱い奴を叩く。
この世から「差別」がなくならないのは、人間の内に潜む、そういった本能がなせる業だと思っています。

さて、

>今自殺している子供達には、自分より弱い奴が見つからなかった、
>ということにもなるのかも知れません。

ですが、おそらく、そうなんでしょうね。
人間の本性は残酷なものだと思っています。
ということで、僕が「こうあればいいのに」と思っている部分を書かせていただきます。

「自分より弱い奴を叩くのは悪いことだ」

まず、そういう教育が必要ではないのか、と。
それを教えないと、人間は本能のまま動いてしまう。
いじめられた子どもたちは、自分より弱い人間を探すのではなく、今の苦痛に打ち克って、やがて教職に就き、

「本能を押さえ込むよう努力せよ」

と次代の子どもたちに教育させる。
自分より弱い奴を探すのではなく、とりあえず今の苦難を乗り越えて、自らの苦難を思い起こしながら教育を施せば、数年後には今よりもマシな社会になるような気がしてなりません。

投稿: 小兄 | 2006年11月15日 (水) 00時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/49796/4178742

この記事へのトラックバック一覧です: いじめ自殺:

» 【いじめ問題】 「いじめる奴は変わらない。問題はいじめられる奴で、彼らを鍛えることが大事」…武田鉄矢★12 [2ちゃんにゅーす]
★「死んじゃダメ!」武田鉄矢が中学生へ“金八流”メッセージ・TBS系ドラマ「3年B組金八先生」の坂本金八先生役でおなじみの俳優、武田鉄矢 (57)が9日、東京・足立区内で12月13日発売のCD「桜中学 [続きを読む]

受信: 2006年11月14日 (火) 05時54分

» ストップ、いじめ自殺!! 精神科医とカウンセラーが教えるいじめ自殺から我が子を守るための5つのポイント [シカゴ発 映画の精神医学]
「いじめ自殺」が、今大きな社会問題となっています。  実際に起きた「いじめ自殺」事件の究明も重要ですが、みなさんが最も心配なのは、自分の子供は大丈夫なのか? ということでしょう。  精神科医で自殺研究の専門家樺沢紫苑と「コドモ塾」主催心理カウンセラー....... [続きを読む]

受信: 2006年11月21日 (火) 13時43分

» 造反議員は復党させるな2 [一日1万ブログアフィリエイトで稼ぐ成功術]
国民の声を聞きながら判断するって言ってるけど、 国民の顔色を伺いながらどうやって自分たちの意見を 押し通すかの間違いじゃないのか。 [続きを読む]

受信: 2006年11月23日 (木) 14時17分

» Ⅳ 体験的無駄話(オマケ)― 虐めっ子に「失うもの」がなければ虐めに勝てるが、それを求めるのは… [右であれ左であれ我が祖国]
(11月15・16・18日の記事の全面改訂版partⅣです) 石原慎太郎「虐め自殺事件」発言に思うこと(PARTⅣ) Ⅰ 「虐め加害者」への厳罰化と「虐め加害者矯正プログラム」の必要性 Ⅱ <虐め得・虐められ損>構造と虐めのエンドレスファイト ― 虐め自殺事件は単純な「強弱」の紋切り型では論じ切れない ― Ⅲ 虐められっ子の「自助努力」論的発想の危うさ ―「虐めはいつの時代どんな社会にもある」…だからそれがなんだというのか?― Ⅳ わたしの体験的無駄話(オマケ)... [続きを読む]

受信: 2006年11月27日 (月) 16時10分

» 復党してしまいましたね [一日1万ブログアフィリエイトで稼ぐ成功術]
国民の納得の行く形でとか言ってたくせに、まったく無視かよ。 若手議員の意見も無視。昔の古い政治家たちの言うことなんか 聞いちゃダメですよ、安部総理。 [続きを読む]

受信: 2006年11月27日 (月) 16時29分

» 「いじめ」は国民病?  任意整理 時事速報 [債務整理(任意整理)]
「いじめ」は国民病?  任意整理 時事速報 いじめの問題が後を絶たないですが、 命を絶ってそれで終りという悲しい現実が社会問題としてあります。 借金で死ぬ人 人間関係で死ぬ人 死が本当の解決じゃない事わかってるけど、 なんで、安易に大切な命を絶ってしまうのか・・・・ 国民病?なんて安易に無責任に名前をつけること自体、許せません!!...... [続きを読む]

受信: 2006年11月29日 (水) 00時02分

» 【いじめ】 命を軽視しないで!女優の志田未来さん出演 [赤ちゃんのびのび育て!ママの子育て大辞典♪]
僕は両親に恵まれているほうだと思う。だからと言うわけではないが、「幸せ」を感じたときは両親にありがとうって言うよ?産んでくれてありがとう^^ 今回のドラマも僕と同世代の子が主人公を演じ、僕らの世代の仲間へ何かを伝えようと・・・ ... [続きを読む]

受信: 2006年12月 2日 (土) 22時41分

« 必修授業の未履修 | トップページ | クライマーズ・ハイ »